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2050 その時地球は 「ビジョンは理論を必要とする」篇 (環境シンポ@東大)

昨日、東京大学安田講堂で行われた環境シンポジウムに参加してきた。平日の昼間、というナイスな日程だったので、午前中に仕事を全部捌いてちょっと早めに退社。日本の最高学府、しかも安田講堂で今私が興味を持っている地球環境の講演とディスカッションが聴講できるわけで、この日の私の高揚ぶりは計り知れないものだった。ありがとう、読売新聞(←主催)。

小宮山総長の基調講演から始まった。これからは「意思の時代」で、世界は「どうなるか」ではなく「どうするか」という風に取り組んでいかなければいけない、と言う。現行のリサイクル・省エネは不合理な事が多くて、逆に地球によくない、という批判があるが、総長曰くエネルギーの理論的分析を行い、人間の活動を素過程に分けてシステムを構築すればリサイクルや省エネは効果を発揮するらしい。さすが理系の人。「素過程に分ける」というのは因数分解みたいなもので、たとえば「セメントを作る」を素過程してみると、「輸送」「成型」「過熱」「粉砕」(だったかな?)という風に過程を素因数分解することらしい。で、それぞれのプロセスにかかるエネルギー量を割り出し、効率的にエコするシステムを構築するのが重要、ということだ。(ですよね?>参加されたどなたか。)

エアコンにかかるエネルギーを減らすために家を魔法瓶みたいにしてはどうだろうか、というアイデアが興味深かった。保温性がいいからエアコンの使用時間を極端に減らす事が可能になり、結果的にとてもエコだ。建築業界の方、頑張ってください。次世代魔法瓶ハウスを作れば、小宮山総長はきっと買ってくれるでしょう。

話が逸れたが、まとめると、これからは「エネルギーの効率」「物質循環のシステムの構築」「再生可能エネルギー」が重要項目になり、日本自らの課題解決を持って世界への「成長モデル」の提供をしていかなければならない。昔、世界は広くて大きいものだったが、人口増加と知的活動の活性化によって、今は世界は小さくなった。もはや、世界の問題は世界規模で考えていかなければならない。そんななかで先進国が、そして日本がどのような対応をするのかが鍵になる。小宮山総長の講演は、私に妙な責任感を芽生えさせ、ただ「世界はこのまま汚染されて終わってしまう」といった暗い気分を吹き飛ばしてくれた。まだまだ、環境問題に対して(かなり小規模だが)今出来ることはいっぱいありそうで、これからも向き合っていきたい。