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教育の今を読み解く 2(教師教育研究フォーラム@早稲田大学)

さて、学校のスリム化が進むとどのような弊害が出るのだろうか。
ただでさえ忙しい教員が、部活動の顧問などをやらなければいけないのは逆に授業に支障をきたすのではないのだろうか。

たしかに、それもある。授業して、放課後は部活をする。学生なら、家に帰ってそのまま寝ることも可能であるが、次の日の授業の準備をしなければならない教員は、疲れたからといって、そのまま寝るわけにはいかない。そこで、こういった部活動の顧問の担当をよそから呼ぶという、ある意味功利主義的な手法が取られるようになってきた。

話は戻るが、それの何が問題なのかと言えば、やはりお呼ばれ部活顧問と教員の間に十分なコミュニケーションが取られなかった場合、教員は生徒の現状を把握しづらくなる。たとえば、生徒 甲は部活顧問 乙に対して何か悩みごとを相談するとする。だが、部活顧問 乙と担任 丙の間には親しいつながりが無い。担任 丙は生徒 甲のなんとなく落ち込んだ様子は察していたものの、朝礼時と一日一コマ程度の授業だけしか接点がなく、放課後は部活に行ってしまう生徒 甲の相談を聞く、またはフォローをかける時間が十分に持てない。事実、部活顧問に何か相談を持ちかける生徒は多いらしく、部活顧問と担任が職員室で会ったりしない限りは「おたくの生徒さん、悩み事があるらしいですよ。」なんてやり取りが発生しにくいことが懸念される。なのでやはり、部活顧問は学校に常任する教員が担当するのがベターになる。

では、どうすればより良いのかと言うと、やはり教員歴がある程度あり、授業の準備などが効率良く行える教師が余裕を持って部活顧問になるのがいいのである。実際に、新任教員は部活動に携われずに、ある程度の年数を経た教員が担当できる、というシステムを実行している学校があり、とても上手く回っているようだ。部活動から離された新任教員は、「自分も早く一人前になって、部活動をやろう。」と思うケースが多いらしく、これは良いスパイラルだと思う。

そして、新任教員がベテランへと立派に育つためには、何が必要なのだろうか。つづく。