Beauty & Chestnut

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A neural mechanism of first impressions.

先日書店で「『ネイチャー』を英語で読みこなす」という書籍を購入した。ネイチャーは専門家でなくても面白く読むことが出来るそうで、本書をまだ半分ぐらいしか読み終わっていないが、私の好奇心が耐えられなくなって実践してみたくなった。そういうわけで、Neuroscienceから面白そうな論文を一本引っ張ってきて解読開始。ちなみに、Neuroscienceを選択した意味は特にない。(数式があまり出なさそう、というぐらいで。)

URL:
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/full/nn.2278.html

まずはAbstractから。ここに要旨が書かれているらしい。
“他者を評価するのには複雑な情報処理のプロセスを経るが、私達は短時間で行ってしまう。しかし、その評価はたとえ同じ情報を与えられていたとしても変わってしまうことがある。初対面の人に会った時の印象形成はどのように脳で行われているかを調査した。脳機能画像によると社会的情報処理を行っている時、扁桃体と後帯状回皮質が強く活動していることが分かった。これらが第一印象形成の重要な役割を果たしているのだろう。”

扁桃体や後帯状回皮質がどこらへんを指しているのかわからないが、とりあえず第一印象形成に関係しているらしい。これ、専門家でない人にとって本当に興味深く読めるのだろうか。門外漢の私にはかなり難しい。

で、Introduction。高度な”お英語”が展開されていて、かなりの意訳になってしまった。

“多角的な社会的情報に直面したとき、人々は満場一致の評価結果を出すことはできない。たとえば、ある特定の人物を「賢くて怠惰な人」と情報を展開した場合、知性に価値を置く人はその人物をポジティブに評価し、そうでない人はネガティブに評価した。社会的情報の処理(判断)はそれぞれどの情報に価値を置くかに帰する。”

“似たようなアプローチが記憶に関する分野でも行われている。既に忘れた事に対する反応と後から覚えられた事に対する反応は別のものである。後から覚えたことに対する反応と忘れたことにたいする反応との差異の発見によって、脳には記憶を保持する場所と記憶の影響の違いを定義付ける場所があることの証拠になる可能性があることが考えられる。同じように、社会的評価のプロセス、(印象形成に)使われたり無視されたりする情報は、その後に続く評価の前兆として違うように処理される。”

昔、法学書のコーナーで「悪文」という本を立ち読みしたことがあるが、この訳は正に悪文そのものである。自分の英語力のなさに凹む。

で、この後には、”社会的な印象の形成”と”認識過程”には似たような所があり、fMRIの測定によれば前頭前野・背内側部(dmPFC)が特に活動的になっていて、印象形成と記憶は脳では別々の箇所でおこなわれているらしい。ついでに、なんだかんだでdmPFCは社会的な印象形成に関わっているという決定的な証拠はないらしい。

そして、何枚か人物の写真を用意し、「この人はこういう人」という情報(これはデタラメ)を添えて第一印象について伺ったら、情報に即した評価が出たらしい。つまり、第一印象は結構あいまいなもので、誤った情報を与えられても自分の判断だという思い込みを抱くそうな・・・。

ここまでのIntroductionをOfficeのWordにコピーして4枚分の量になるが、3時間ぐらいかかってしまった。そして、この訳自体が誤情報なんじゃないかと思うが、まぁ初回なので良いとしよう。こういうのを通勤時間にサラっと読みこなせるよう、勉学に励みたいと思った。(というか、本論にも到達してないのね・・・。泣)