Beauty & Chestnut

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五島情緒

昨日の夜、東京に戻ってきた。車窓から見えるビル郡に安心を覚え、帰ってくる場所があるのは良いなぁ、としみじみ思った。大自然に囲まれた島も良いが、都会の混沌も良い。要するに、同じ環境の中にずっと居続けるのが、私にとって苦痛なのである。

五島での最終日は、午前中は市内観光、午後からは観光バスで島を一周してきた。あいにくの曇り模様。日焼け止めを忘れていたため、逆にありがたい。

市街地そばの五島邸。

2,3分あれば1周できてしまう小さな庭園だが、私はここが気に入った。南洋の植物が日本庭園に見事に合っている。他に見学者がいなかったため、”勝手知ったら自分の家”の要領で、五島邸の縁側でくつろいでいると、近くの中学校の吹奏楽部の練習が聞こえてきた。風が吹けば、木々のざわめきも聞こえる。この島は風景も美しいが、聞こえてくる音も美しい。管楽器の奏でる、不器用ながらも楽しそうな旋律と自然(木々)の旋律、遠くから聞こえてくる鳥の囀り。

庭を歩いていると、樹齢800年の楠の木が雄大に構えていた。

この木は今までどんなものを眺めてきたのだろうか。根元に座り込み、いろいろと思いを馳せる。

商店街の様子。連休中だからなのか、シャッターが目立つ。しばらく歩いていると、チャンココと呼ばれる五島の民族舞踊(念仏踊り)の衣装を身にまとった電話ボックスが。これはお洒落!!

武家屋敷の一帯をぐるりと回り、観光バスが待っている港へ向かう。目的地は大瀬崎灯台。到着する頃には雨が降っていた。水平線と空の境目がはっきりとせず、印象派の絵画のような風景が。これはこれで味があるな、と思った。

高浜海岸。

野生の鹿がこの海を泳いでいるのを見た人がいるとか、いないとか。五島には人口よりもシカの方が多い地域があるらしい。どうでもよいが、奈良公園のシカに弁当を食べられて以来、私はシカがあまり好きではない。

翌日、ジェットフォイルで五島を去るとき、また来ようと思った。
美しい島だった。