いっそパチンコも違法にしてみればどうだろうか

酒井法子が逮捕された事を数日前に知った。テレビをほとんど見ないので、どうもこういった情報から疎くなる。知らないうちに北京オリンピックは終わっていたし(というより、まだ始まっていないと思っていた。)、押尾なんとか氏については、名前すら聞いたことが無かった。キヨシローって誰ですか？

酒井法子は、ある意味気の毒だと思う。おそらくデビュー当時は本当に清楚だったかもしれない。しかし、当の本人は今や立派な大人の女性である。年を重ねれば重ねるだけ、よほど単調な日々を送っていない限り、「清楚」の一言で言い表せるものでなくなってくるだろう。そもそも、「清楚」という言葉は、勝手に言っている方は楽しいかも知れないが、言われる方はたまったものじゃない。ましてや有名人になれば、「いや、私、別に清楚じゃないし。」なんて個人の意向で発言することすら難しくなってきて、ますます本人の人格や内面的なものから商業的イメージが乖離していく。そういった事で頭を悩ませる芸能人も少なくないのではないだろうか。

麻薬を使用することは、犯罪である。その理論はこうである。麻薬は依存性が強く、本人の人格を崩壊させ、幻覚症状があらわれる。家族や友人を失くし、最悪の場合には、暴れたりして無関係の他人を傷つけることもある。とはいえ、麻薬の依存性というのは、使用者の置かれている環境や精神状態によって大きく差が出るのではないだろうか。麻薬→依存性が強い→犯罪を起こす、というチャートは必ずしも成り立たないと思う。日本の法律で禁止されている麻薬が、どこかの国の民族では神との交信のためやら、何らかの儀式のために今日でも使用されていることは珍しくない。まぁ、しかし、ここは日本なので、他人を傷つけたり、人格さえ壊してしまいかねない麻薬の使用は、やはり犯罪として取り扱われるのが妥当だと思う。そして、麻薬の利益が犯罪組織の活動資金になったりすることも考慮すれば、人々が安全に暮らしていくためにも禁止されなければならない。違法とされている国で麻薬を使用するのは直接的にも間接的にも、大きな過ちを犯していることになる。(ただ、使用するに至る経緯や環境には、幾分かの同情すべき点がなくはない。それに、売っている人たちも、まともな職につくという選択肢を持つことができれば、そういった商売も少なくなることも予測できる。)

一つ疑問なのが、同じような観点で見た場合、パチンコはなぜ「国民的娯楽」としてのポジションをキープできているのだろうか、という事である。私はとにかくパチンコが嫌いだ。自分が大負けしたからではなく、知人が打っている姿を見て、「これが私の知り合いなのか」と、なんだか死にたい気持ちになった。横一列になっている光景は、どことなく養鶏場を彷彿させる。近くにいた品の悪そうなおばさんは台を叩いて何か叫んでいるし、そのまた近くの中年男性はイスの上であぐらをかいている。世の中に、こんな美しくない光景が存在するのがとにかくショックである。写真で見た、戦争の光景と、産業廃棄物の山の次ぐらいに、このパチンコという廃人養成施設は醜い。幸い、私の知人はマナーよく打っていたが、見ていたら自分自身まで恥ずかしくなってきた。他人がどのように余暇を過ごそうが私の知ったことではないが、のうのうと街角に存在するのが気に食わない。そもそも、パチンコの何が娯楽なのだろうか。余計にストレスが溜まりそう。

不幸にも、このパチンコというものも、依存性が強いものである。「なんか勝てそうな気がする」というのも、立派な幻覚症状だ。中毒になると、お金と時間と将来性と品位と教養と知性と人間性と友人と家族を、徐々に失くしていく。パチンコに負けて自殺する人(しかも、店のトイレで。) も後を絶たないし、店に対して嫌がらせをする人も少なくない。お金が無くなれば借金をしたり、他人のお金を奪ったりして、せっせと店に貢ぐのである。「遊ぶ金ほしさの犯行」の「遊ぶ」はおおかたパチンコのことだろう。パチンコに負けて犯罪に手を染めるという事象は、昔から繰り返されてきた。果たして、麻薬とパチンコの、どちらが社会にとって害悪だろうか。本人の人格を崩壊させ、自殺や二次犯罪を誘発する事が共通しているのに、なぜ麻薬は犯罪なのに、パチンコは犯罪ではないのだろうか。パチンコをして、オーナー以外に誰が幸せになるのだろうか。(性風俗店に関して言えば、少なくとも客は幸せである。一時的に。)そして、パチンコ店の利益は、どのように流れていくのだろうか。(見当はつくけれど。)

再度言っておけば、やはり、他人がどのように休暇(人によっては求職期間ｗ)を過ごそうが、その人の勝手なのである。私のパチンコに対する非寛容さは、直すべき点だと思っている。しかし、人類の堕落にしか貢献しないパチンコという施設の存在は、甚だ疑問である。