Beauty & Chestnut

栗野美智子オフィシャルウェブサイト(笑)へようこそ。ツイッターもやってます。@Michiko_Kurino

メダカの池に、アロワナを。

JALが地裁に会社更生法の適用を申請した。私はてっきり清算するのかと思っていたが、「更生」らしい。私財を投じて更生を図るなら大いに結構だが、税金投入してまで更生させる必要があるのだろうか。これは(税金で行われる公共事業に依拠する)ゼネコンに対する批判と共通するところがあると思う。つまりは両者とも、「雇用の確保/維持」「援助(発注)してくれる所」を重視するあまり、需要が見えていない。安易な批判は慎むべきだと思うが、それ以上に「安易な肯定」こそ、社会悪である。高い人件費、市場の縮小(市場というのはナマモノなので、いつまでも大きいわけがない。)、非効率な経営。そういう状態を無視して、これらを維持し続けるといずれツケが回ってくるが、その被害を受けるのは関係者当人だけではない。今しなければいけないのは、冷静な頭脳を以って市場を観察して新たな需要を創出し、効率化・合理化を図り費用対効果を高め、政局に左右されない骨太な経営をできる強い会社にすることである。大企業でも中小企業でも、その規模を問わず、健全な競争を行った上で市場に不要とされた企業は整備・淘汰、もしくは吸収されて、より多くの人が利益を得ることが出来るようになるのが望ましい。中途半端に維持することで結局全てを失って莫大な損失を出す、という事は決して珍しいことではない。改革は迅速に、大胆に行うのが望ましい。自分が所属する業界を大事に思うのなら、安易な肯定ばかりせず、きちんと批判に耳を傾け、どうすればもっと良くなるのか、現実を見つめ、冷静かつ「建設的」に考えて、ブログであれSNSであれ意見を発信ほしいと思う。「建設」業界ならなおさらね。これが私から、某氏へのメッセージだ。

少し前に「会社は誰のものか」という議論があった。意外と経営者には「会社は株主のもの」という考えの人が多く、一方保守的な人には「会社は社会のもの」という意見が多かった。経営者というのはシビアなのかもしれない。さて、会社法から見れば会社は株主のものである。しかし、会社というのは経営者がいる。経営者は何らかの理念を持って会社を起こし、運営する。大方の経営者はもっと社会を良くしよう、便利にしよう、という理念のもと経営している。それを賛同し、協力するのが株主だ。(投機筋は投機筋で、その冷静さとリスクを背負う覚悟を評価したい。) だから会社の存在は、「経営者」「株主」「社会」の相互関係を無視して「誰々のもの」と一概には言い切れない。JALの破綻は免れなかった。これは以前の記事にも書いたが、一言付け足すのなら、JALは航空業界の一員として、空をもっと便利にして利益を得るのが目的であったはずだが、いつの間にかJALの存在そのもののために奔走してしまったことである。そして、依存することが出来る環境があった。これから少しずつ景気は回復していくかもしれない。しかし、このような依存が認められる環境は、更にグローバル化が進む今後を見据えて早めに断ち切るのが良いだろう。

私は世界から、身の安全や必要最低限の衛生も保証されていない、その日生きるのが困難な、より狭義の意味での貧困が無くなればいいと思う。そして、その解決手段が徹底した「経済のグローバル化」にあると主張したい。「まずデフレを止めよう」という意見が一部で盛り上がったが、デフレは悪ではない。給与の減額を免れたいのなら、方法は一つ。自由競争の下、何かの分野で最先端にいること、である。仮にインフレになって手取りが増えても、物価が上がれば意味のない話だ。もとより、オートメーション化や世界規模のワークシェアリングが進む昨今、同じ仕事に同じ金額を払い続けるほうが非効率的な話である。生産の手段(工場)や、事務・経理など一定の訓練さえあれば誰でも出来る仕事は海外に流れるだろう。受け入れ先の国ではその仕事は高給に部類するので、人々は職を求めて競いあい、優秀な人材が増えていく。そして、その国が豊かになり、何かの分野で最先端になったら、仕事を部分的に別の国へ委託する動きが出てくるだろう。そしてまた、その受け入れ先で健全な競争の下に優秀な人材が増え、かくして世界はフラットになっていく。インターネットや物流が世界規模で整理され、世の中はもっと便利で効率的になる。ただし、その過程で、「教育を受ける機会」の平等は何があっても保たなくてはいけない。豊かになった人が、教育の機会を持つ事が出来ない人への支援が必要になってくる。募金であったり、マイクロファイナンスなどの金融手法であったり(親が豊かになったら子供に教育を受けさせる事が出来るので。)、「情」というのはここにきてやっと求められるものではないだろうか。

私が望む、望まないに関わらず、グローバル化の動きは止まらない。

文句を言いながら必死にしがみつきますか?それとも、戦いますか?