Beauty & Chestnut

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韓国旅行記

正月休みを利用して数年ぶりに韓国に行ってきた。母がずっと韓国に行きたい、と言っていたため、父も連れて三人での旅となった。

初日は昼過ぎに日本を発ち、入国審査の手続きや細々とした用事を済ませていたら、ホテルに着いたのは夜の8時ごろだった。イテウォン駅から車で5分ほどの小高い丘にあるグランドハイアットというホテルに滞在。国際色豊かで、そこで働いているスタッフは、英語はもちろん、日本語も少し話すことが出来る。内装も欧米を意識させるような作りになっていて、私たちは本当に韓国にいるのだろうか、という気がした。寒かったので夕飯はホテル内のレストランを利用。お店はフレンチや鉄板焼き、日本料理から選択できる。韓国宮廷料理があればさらに素敵だな、と思った。とりあえず日本料理のお店に入り、刺身ビビンバなるものを注文。


ご飯にゴマ油をかけ、水菜やレタスなどの葉野菜、数種類の刺身、調味料を入れて混ぜる。辛さとゴマ油の風味がいい具合に混ざり合っていて、なかなか美味しい。

2日目の午前中は私の希望で国立中央博物館へ。


天井にも意匠が凝らされている。

本当はナムジュンパイク アートセンターやサムソン美術館にも訪れたかったが、それはまた次回、ということに。ナムジュンパイクの作品はYouTubeでは殆ど見ることが出来ないため、今度韓国に訪れた時は絶対に立ち寄りたい。

国立中央博物館は現在、無料で入館することが出来る。ずっと無料というわけではないらしく、政策の一部として実施されるとのこと。3階建てでアジアのほぼ全域をカバーしている。日本の作品も多数所有しており、イミテーションやフェイクの文字が無かったことから本物であると推測する。夕方に母の知り合いに会う予定があったため、あまり時間が無く、3階のアジア館と彫刻・工芸館だけ鑑賞。韓国の作品は彫刻・工芸だけ見たことになる。他には書画館、寄贈館、先史・古代館、中世・近世館があり、1日かけてゆっくり見る場所だ。主要作品の解説はすべて韓国語だったため推測になるが、工芸館にあった白磁はおそらく中国から渡ってきたものか、韓国からの留学生が現地で身につけた技法を持ち帰って作ったものである可能性が高い。韓国独自の技法ではないだろう。今度訪れた時は絵画をもっと見てみたい。

博物館を出た後は地下鉄でそのままミョンドンへ。昼食にチヂミ、スンドゥブサムゲタンを少しずつ頂いた。サムゲタンは美味しいけれど、骨が多いので食べるのに時間がかかってしまう。少し休憩し、サウナへ寄った。韓国のおばちゃんの営業はすさまじい。片言の日本語でオプションを勧めてくる。少し断ったぐらいでは引き下がらない。以前トンデモン、ナンデモンで買い物をしたときも商魂のたくましさをひしひしと感じたが、現在もそれは健在している。とにかく、韓国のおばちゃんはたくましいのである。おそらく韓国の経済にも関係しているのだろう。日本のように安定した職業が提供されていないのではないだろうか。一人ひとりが営業担当も兼任せざるを得ないのではないだろうか。片言とはいえあれだけの外国語(日本語)が話せたら、日本ならある程度の賃金がもらえる職につける。電子機器類の台頭が注目されている韓国であるが、私はどちらかといえば中国に近いものを感じた。政策を一つ誤れば、この国はデモが起きる。国民にはそのエネルギーが十分にある。かつて岡倉天心がアジアは一つと言っていた。芸術や文化に関して言えば、共通項はたくさんあるので一つなのかもしれない。しかし、彼の時代から現代までの間に、政治や国の状況に関して言えば、アジアは細分化してしまったように感じる。

そんなことをサウナで考えていたら、よけいに頭がのぼせてしまった。その後、一度ホテルに戻り、アングク方面へ。アングクは以前訪れたときに滞在したユースホステルがある駅なので、降りたときになんだか懐かしいような感じがした。待ち合わせをしていた人と合流し、インサドンにある焼肉店に。

竹の中に入っているご飯が美味。日本米との違いはよくわからなかった。サムギョプサルも美味しく、ご飯がすすむ。韓国の定食は付け合せがたくさん出てくるので、原価に含まれていても得をした気になる。おもてなしの文化がこうした食事の一場面で感じ取れる。

インサドンの景色。もっと町並みを撮りたかったが、あまりの寒さに指が動かしづらく、唯一撮れたもの。

翌朝は10時の便にのって帰国。2泊3日の旅だったが、自由に行動できたのは1日だった。韓国は旧暦のお正月でお祝いするため、町並みはまだクリスマスモード。地下鉄の各駅に防毒マスクが設備されていたのも印象的だった。これは有事に備えているものなのか、それとも対テロ対策なのかは分かりかねないが、軍事境界線に対する危機感を抱いている人は少ないらしい。日本から見た北朝鮮と、韓国から見た北朝鮮は少し違うようである。こういった事も興味深く、考察の一対象となりうる。近いうちにまた訪問したい。


韓国で買ったもの。5万ウォン。旅の思い出、プライスレス(笑)