Beauty & Chestnut

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薬膳を学ぶ

9月10月と情報処理の試験が続き、仕事と夜間スクーリングの合間を縫って勉強する日々がひと段落ついた。年内は夜間スクーリングの民族学、宗教学の試験をパスすれば終わりである。どちらも比較的得意な分野なので、今は1月のC言語検定の準備とTOEICの対策を行いながら、割と時間に余裕のある日々を過ごしている。さすがに9月と10月は過密だったせいか、抜けきれない疲労感を日々感じながら過ごしたが、仕事以外は任意でやっていることなので文句は言えない。とはいえ、たとえ忙しくても心身健康でありたいと思い、食生活の見直しと改善を行うことにした。薬膳の学習はその一環である。

食べたものが体を作る、という当たり前の事実はどの美容・健康雑誌でも声高々に訴えられており、アサイーなどの流行フードなるものを次々に生み出している。それはそれで面白い事だと思うし、たとえ一過性のブームであっても自身の体を気遣うのは良い事である。食は健康の礎であり、生活に潤いを与えるエンターテインメントでもある。薬膳の場合、大ブームにはなっていないが一定数の支持者がいるため、食材が継続的に手に入りやすい環境にある。一度学んでおけば長く使えるスキルだ。書籍で学ぶことも十分に可能であるが、資格も欲しかったので通信講座を受講することにした。各社の資料を取り寄せ、いずれも内容が似ていることから、もっとも安く受講できる学文社の「薬膳マイスター養成講座」を選んだ。

申込みから1週間程度で教材が届いた。テキスト4冊、レシピ集、DVD2枚と添削課題のうち、テキスト1冊とDVD1枚とレシピ集の内容が重複している事と、テキストが予想を超える薄さだったことを除けば、「まぁ入門編としてはこんなものだろう」という印象である。届いた初日に全ての添削課題を終え、とりあえず初回分のみ投函した。返却され次第、順次提出する予定である。

さて、私は薬膳については中立的な立場を取っている。「科学的な根拠は無いが、ある程度正しいと思われる仮説」という、要するに半信半疑なのである。生姜や唐辛子が体を温める食べ物であることは体感しているが、豚肉や馬肉が体を冷やす食べ物であることは納得しがたい。といったことを昨晩友人に話したら、「でも沖縄では豚肉が食べられているし、ある程度関係あるんじゃないかな」と意見を貰った。だからといって、「体温が下がったな」と実感できるまで毎日豚肉だけを食べるわけにはいかない。また、ある食べ物が特定の臓器を活性化させ、特定の感情に作用する、というのも少々眉唾ものでもある。信じる者は救われるのか、はたまた現代科学では解明されていない真実なのか。後は薬膳を楽しめる範囲で実践し、私自身で試してみるしかないのである。

自身で実践する以外にも、薬膳の知識は食の分析ツールとしても使えそうである。例えば中華料理や韓国料理を食べに行ったとき、出された料理が薬膳を意識しているものなのか、そうでないのか、がある程度分別できる。前者の場合、提供者(多くの場合はシェフ)の意図を汲みたくなるし、食事が一種の知的ゲームとして楽しめる。これは薬膳を学習するメリットである。また生薬には特有の風味があるので、使われている生薬の分析以外にもマリアージュの度合いを測ることが出来るし、あたかもワインをテイスティングするように料理もテイスティングできるのである。日々の生活を楽しむためのツールは1つでも多い方が良い。


届いたテキストの1巻目と2巻目。薬膳のざっくりした歴史と概要、各種食材の解説が述べられている。