Beauty & Chestnut

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修習技術者研修会(2015年6月)

資格取得が趣味であるが、ここ1年半ほどスランプ気味である。欲しい系統の資格のうち、数か月勉強すれば取れる物は取ってしまい、後は経験をもとに論文を書かなければいけないものしか残っておらず、その論述が難しいのである。プログラミング検定を除いて最後に取得したのは技術士一次試験の経営工学部門。一次試験に合格すればもれなく「修習技術者」あるいは「技術士補」となる。建設業に携わっていれば師事する技術士を見つけて日常的に補佐業務を行うことは容易かもしれないが、それ以外の部門となるとハードルが上がる。

そういうわけで、私は野良修習技術者である。受験した年に丁度試験制度が変わり、個人的な印象であるが、高校2〜3年程度の理科の知識があれば十分に合格が狙える難易度になった。この制度が再び変わってしまう前に、今度は情報工学部門と、こちらは完全に趣味であるが建設部門でも一次試験を受けてみたいと思っている。試験は祭りだ。1年でたったの1〜2日のために最低でも数か月間は準備を行い、「合格」か「不合格」という結果を得る。どんな試験であれ、結果発表の前は最高に緊張する。そして、この緊張感はクセになる。身の安全が保障されたスリルとでも言おうか。

さて、修習技術者となったものの特に何も(目に見える形で)研鑽は行っていなかったが、今年の4月に技術士会へ入会した経緯もあり、修習向けの研修会へ参加することにした。研修会は毎月開催されており、今月のテーマは「子どもの安全を守る技術士の良い仕事」。前半は講師による子どもの安全に関する現状と問題点、事例紹介、技術士にとって良い仕事とは何か、という内容の講演が行われ、後半は子どもの安全を守るためにどういったビジネスが出来るかグループディスカッションと発表を行った。日本は乳幼児の死亡率は先進15か国中もっとも低いが、事故による死亡率は11位である。この数字は決して悪くはないのだが、ハインリッヒの法則とやらによると1件の重大な事故には29の軽微な事故があり、さらには300のヒヤリハットがあるとの事で、年間1,000件の重大な事故があれば29,000の軽微な事故と300,000のヒヤリハットが存在する事になる。事故の防止は大多数の安全とつながるのである。

不慮の事故と言えば交通事故と玩具の誤飲による窒息、化粧品や洗剤などの誤飲による中毒、重度の熱中症ぐらいしか思いつかなかったが、他にもベビーベッドやベランダからの転落、浴槽用浮き輪による溺死、まだ記憶に新しい流水プールでの吸い込まれ事故などが紹介され、子どもは予想外の行動をし、予想外の危険に巻き込まれやすい事を改めて知った。童心を忘れてはいないつもりであったが、いつの間にかリスクに対して敏感な大人になっていた。これでは子どもの安全を論じることはできない。

日本には個別に子供の安全について取り組む組織(厚労省消費者庁、生活センターなど)があるが、それらを取りまとめる機関がないため、うまく情報共有・連携できていないが故に防げない事故が存在している。グループディスカッションではそこに着目し、個人・企業・行政を対象とした安全診断サービスの発表を行った。他グループのアイデアも興味深く、1時間でよく形になったものだと感心した。幸いにも自分がいたチームのアイデアが参加者の投票で1位を獲得した。

来月の研修のテーマはマネジメント。机上の空論、あるいは皮算用になりがちなテーマであるだけに楽しみである。