Beauty & Chestnut

栗野美智子オフィシャルウェブサイト(笑)へようこそ。ツイッターもやってます。@Michiko_Kurino

SL秩父旅

2016年も終わろうとしていた頃、ふと鉄道で旅に出たいという衝動に駆られた。それも、普段は絶対に乗らないようなローカル線か、あるいは観光列車。日帰りでも1泊でも良いので、何か珍しく、私にとって新しい体験をしてみたいと思った。そういうわけで、インターネットで色々と調べて、いすみ鉄道真岡鉄道秩父鉄道の3つを候補に絞りこんだ。いすみ鉄道のスイーツ&ワイン列車に大変心惹かれたが、日程が合わずに断念。秩父鉄道パレオエクスプレスでワインが飲めるイベントがあったので、そちらを申し込むことにした。


パレオエクスプレスは、指定席予約はみどりの窓口びゅうプラザへ連絡が必要だが、整理券の予約はネットで出来る。ワインのイベントなので親子連れは少ないと予測し、整理券の予約のみしておいた。11時の寄居発に乗るため、早い時間に家を出て、30分ほど前に着いた。乗り降り自由な「おでかけ切符」が1枚、SL整理券と乗車記念証を2枚ずつ受け取り、まだ見ぬSLに心躍らせながら、ホームの待合室へ。


10時50分ぐらいだった。遠くから汽笛が聞こえた。いよいよ来たか、と待合室から出てスマホのカメラを立ち上げる。中腰になり、どの角度から撮ろうかとあれこれ試してみる。他にも一眼レフを両手に持った、いかにも撮り鉄な風貌の男性が複数いた。黒い物体が煙を上げながら、ゆっくりと近づいてくる。さぁ、来る。もうすぐだ。期待が最高潮に。しかし、姿こそ見えるものの、中々距離が縮まる様子はない。止まっているの?いや、動いている。動いているが、とても遅い。SLは電車程速くないとは知っていたが、想像を上回る遅さだった。姿が見えてから数分して、ようやく到着した。



この日限定の、兎田ワイナリーのヘッドマーク

中は友人同士や家族連れは半々ぐらいの割合で、まれに私のような単独の乗客がいた。程よく空席があり、ボックスシートを占有することが出来た。発車してしばらくした頃、ワインの試飲が配られた。



赤がマスカットベリーAで、昔食べたイチゴキャンディのような香りがした。昼時に軽く飲むのに最適なワインだ。白も程よく辛口で、飲みやすい。チーズの販売もあったので、購入して一緒に楽しんだ。(個人的にはプロセスチーズよりもキュウリやサーモンのサンドイッチが合うと思う。)



限定のお弁当も販売していたので、買ってみた。クリスマス仕様とのこと。



秩父駅まで1時間ほどの短い乗車時間だったが、ジャズの生演奏があったり、観光案内の放送があったりと、乗客を飽きさせない工夫が凝らされていた。電車とは違った乗り心地で、旅をしている感が満載だった。



帰りの便まで2時間あったので、秩父神社と今宮神社、秩父まつり会館へ訪れた。両神社では御朱印も頂いた。


数週間前に秩父夜祭で訪れた時は混雑がすごくて、ほとんど観光らしいことが出来なかったが、この日は人が少なく、ぶらぶらと秩父の街並みを堪能できた。美味しそうな鯛焼き屋を見つけ、小休止。焼きたてで衣がサクサクしていた。秩父までのアクセスは正直あまり良くないが、ゆったりとした時間が流れており、日々の喧騒を忘れさせてくれる。暖かくなったら、今度はポピーを見に来たい。帰りの時刻が近づいてきたので、再び秩父駅へ。



帰りは貸し切りに近い状態。外の景色をぼんやりと眺めながら寄居駅へ。日帰りだったが、十分に旅行気分を味わえた1日だった。