Beauty & Chestnut

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自転車で行く初夏の秩父 ぐるっと埼玉 ルート22(下見編)

自転車に乗り始めてから、地図を見る時間が増えた。次の休みはどこへ行こうか、どの道を走ろうか、と考える時間は非常に楽しく、空想が広がる。そして実際に走ってみて、思いのほか埼玉県が広い事を知る。


先日、サイクルライフナビゲーター 絹代さんのブログを見ていたら、埼玉県が自県の魅力を発信してくれる「Love bicycle SAITAMAサイクリスト」(通称LbSサイクリスト)を募集している記事を見つけた。SNSへ所定のハッシュタグをつけて発信し、記事を投稿するとサイクルジャージがもらえるとのこと。(企画の詳細) ジャージのデザインは公開されていないが、彼女がリーダーを務める「ポタガール」のジャージがとても可愛らしいので、きっと同じぐらい素晴らしいものが配布されるのだろうと思い、早速エントリーをしてみた。埼玉県が用意したルートは全部で25種類。距離は13Kmから170Kmまで幅広い。


サイクルジャージを貰うためには35Km以上のルートを完走する必要があるとの事で、自宅からの距離を含めて150Kmぐらいの物が良いと思い、22番「ちちぶ歴史街道ミューズパーク正丸峠ルート」を選択した。まだ秩父へ自転車で行った事が無いのと、最後が正丸峠なら迷わずに帰ってこられる事、歴史街道というキーワードに惹かれた事が主な理由である。しかしこの時私は重要な事を見落としていた。秩父市は山に囲まれており、山の近くは基本的にアップダウンが多いという事を。結論を言えば、指定ルートを完走できなかった。そういうわけで、この記事のタイトルに【下見】の2文字が入り、自分のブログへ掲載する次第となったのである。


スタート地点まで約80Km走り、44号に入って緩やかな下り道を楽しむ。交通量はやや多めだが、国神の交差点を曲がってからはほぼ貸し切りに近い状態となった。家を出た時は曇っていたが、着いた頃には雲の合間に青空が見えるぐらいに天気が回復していた。皆野両神荒川線に入ると、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う。


路面はとても良く整備されており、人通りが少ないのに程よい間隔で自販機が設置されている。


白砂公園、道の駅 龍勢会館を過ぎ、吉田椋神社に到着した。アニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」で龍勢ロケットを飛ばすシーンがあり、その発射台が椋神社の近くにある。私はこのアニメで数年分の涙をまとめて流したのでじっくり鑑賞したいと思ったが、まだ道は長いので先を急ぐことにした。秩父は純粋にサイクリングを楽しむだけではなく、聖地巡礼も出来るお得な場所なのである。また、美味しい蕎麦屋さんも多いので頑張ってくる甲斐がありそうだ。歴史街道ルートなので歴史的な事に少し触れておくと、椋神社は1884年に借金や増税に苦しんだ農民たちが武装蜂起した「秩父事件」の中心地である。あれから135年経った今、静かな時が流れている。


そのまま道なりに進み、小鹿野警察署を左折する。下り基調が続いていたが、この辺りから徐々に登りが出てくる。今思えば、自宅を出る前に菓子パンを一つ、スタート地点手前でドーナツを二つ食べただけで十分に補給できていなかったのが完走できなかった要因に違いない。大したことのない登りでも、いつもより辛く感じたが気にせず花菖蒲園と神怡館(しんいかん)へ。花菖蒲は咲いていたがまだピークまで少し日数が必要そうな印象だった。

神怡館は後で知ったが平成30年3月に閉館していた模様。どこにも閉館の案内は掲示されておらず、庭木の手入れが行き届いていたのでこの日はたまたま休館日なのかと思った。

両神荒川線を抜け、140号に入る。大きな橋を渡って荒川を越え、秩父荒川線へ。車の量が少しずつ増えはじめ、注意しながら走る。秩父ミューズパークについたら少し休もうかな、と思っていたが、パーク手前の上り坂でいよいよエネルギー切れである。降りて押し歩き、パークに入ってから再びサドルにまたがった。園内のカフェで何か補給しようと思ったが、時刻は16時を過ぎており、日が明るいうちに知っている道に出たかったので市街地のコンビニまで頑張ることにした。スタンプラリー感覚で秩父神社へ駆け込み、最後の正丸峠方面へ。


市街地を抜け、299に入る。何かメカトラでも起きたのでは、と思うほど、前に進まない。まるでブレーキを掛けながら走っているかのようだ。降りて自転車をチェックするが、どこにも異常はない。平地は普通に走れていたが、少しでも登りになるととたんにパワーが出ないのである。正丸トンネル前までは気合で乗り切ったが、さすがに峠は越えられないと判断し、そのままトンネルを抜けることにした。幸いにもトンネルは下り道になっており、そこまで交通量が多くなかったので無事に抜けられたが、車には少し迷惑をかけてしまった。初回の22番ルートは正丸トンネル前でDNFとなった。


そのあとは延々と299を走り、久保の交差点で15号を直進し、川越を抜けて自宅に戻った。暗くなるとサイコンの反応が鈍るため、正確な走行距離が分からないが180Kmは確実に走った。時計を見ると22時前。前半でもっとエネルギー補給をしていたら正丸峠を越えられたのかな、と思うと悔やまれるが今までの最高走行距離を更新することが出来た。帰宅後は早々にシャワーを浴びて就寝した。