Beauty & Chestnut

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ベターホーム シェフに習う⑩ 南イタリアのトマト料理

10回目のシェフに習うシリーズはサラダ、トマトリゾット、カジキマグロのパン粉焼きの3品。

南イタリアはトマトの生産量が多く、その品質の良さは世界中に知れ渡っている。イタリアではトマトの事を「情熱の果実」と言うらしい。味が無いように感じるトマトの皮は実は出汁の塊で、煮込むと旨味が抽出されるとのこと。ソムリエ教本的にはトマトを使った料理はシチリアカポナータ(トマト、ナスなどの野菜の煮込み料理)やパスタ・アッラ・ノルマ(トマトソースのパスタ)、カンパーニアのマルゲリータ、ポルポ・アッラ・ルチアーナ(タコのトマト煮込み)などが挙げられる。「南イタリアのトマト料理」とタイトルにあるもののトマト料理はリゾットだけだが、主役級の美味しさであった。


■桃とブッラータチーズのサラダ
先月は前菜でボッコンチーノという小さいモッツァレラを使ったのが記憶に新しい。モッツァレラとはスーパーで売られている拳ぐらいの大きさのものを始め、ボッコンチーノのような小さい物、見た目は似ているけど切ると中から生クリームがあふれるブッラータなどいくつかの種類があるようだ。ブッラータは最近スーパーでもたまに見かけるようになったが、ややお値段高めである。そんなブッラータを季節の果物の桃と合わせてオリーブオイルと塩で和えた、ぜいたくな一品。前菜としてレシピに記載されているが、デザートにも良いのではないだろうか。

先生の盛り付け

自分の盛り付け。同じ食材を使っていても、盛り付け方ひとつで全然違うことが分かる。


■フレッシュサンマルツァーノトマトとバジリコのリゾット

今回のメインであるトマトのリゾット。たっぷりのブイヨンと酸味がやわらかなトマトがジューシーに絡み合う一皿。リゾットは時間がかかるのと、煮込み工程が始まっても鍋から離れられないので、あまり作る機会がないが、美味しかったのでまた作りたいと思っている。


■カジキマグロのアーモンドパン粉焼き パレルモ

パレルモというのはシチリアの都市のこと。南イタリアの方では魚をよく食べていると聞いた。カルパッチョと言えば生の白身魚をオリーブオイルとレモン汁を和えたものを想像するが、本場イタリアではスライスした牛肉にソースをかけたものを指すらしい。なので、生魚を食べる文化があるのかは分からないが、マグロやイワシ、アサリなど魚介を使った料理は事欠かない。今回のレッスンではパン粉を作るところからスタートした。市販のパン粉ではなく、フランスパンをフードプロセッサーで刻むところからである。パン粉をパンから作るのは新鮮だった。


来月はS字パスタのカサレッチェ、長茄子のインヴォルティーニ、ポルペッティーニ(ミートボール)。ボリュームがありそうなので、お腹を空かせて受講しよう。

ベターホーム シェフに習う⑨ アンティパストとパスタを習う

春夏コースの折り返し地点となった。今回はどこかの州のレシピを習う、というよりは前菜を沢山作ってみようという内容になる。実はいつもレストランのコースで一番楽しみなのはメインではなくて前菜なので、このレッスンを心待ちにしていた。前菜と言えばレストランに到着した時の高揚感と、まだ何も胃に入っていない故の空腹感が混ざり合い、メインよりも記憶に残っていることが多い。また、前菜はお酒のつまみになるものが多く、割とどんなお酒とも合うので自宅で作れれば最高である。


■前菜の盛り合わせ

「ツナと彩り野菜のマリネ」「オレンジのサラダ」「タコのマリネ」「ボッコンチーノ(モッツァレラチーズの1種)」「ズッキーニのレモン風味」「生ハム」の6品。生ハムは盛り付けただけなのでレシピ的には5品。オリーブオイルと白ワインビネガー、レモンをフル活用である。特別な調味料を用意することなく、手元にあるもので沢山の種類を作れるよう意識した、と先生が仰っていた。料理教室は習って終わりではなく、日々の暮らしで活かせてこそだと思うので、ありがたい。軽めの白ワインやスプマンテと合いそうな印象。ビネガー多用なので酸味は控えめな方が良い。


■スパゲッティーニ カルボナーラ

こちらが今回のメインである。カルボナーラを食べた事が無く、クリームソースのパスタだと思っていたら卵黄とペコリーノがソースになるとのこと。卵黄がソースになるなんて、とビックリした。加熱したら親子丼のように固まってしまわないか心配になったが、卵白を使わず、温度管理に注意すれば大丈夫だそうだ。鍋を火に近づけたり、遠ざけたり、結構大変だった。二人分を一度に調理するのでそれなりに鍋が重くなり、料理を習っているのか筋トレをしているのか分からなくなった。完成したカルボナーラは濃厚だけど重たくなく、とても美味しかった。

ちなみに後日、勿体なかったので全卵で作ったらバッチリ親子丼状態のカルボナーラになってしまった。


■レモンのグラニータと季節のフルーツ

こちらは教室側が事前に準備してくれており、シロップと氷をミキサーで撹拌して完成。暑い季節にピッタリな、爽やかな味わいだった。


次回は南イタリアのトマト料理。南イタリアといえばパン粉と魚介のイメージがあるので、どんな内容なのか楽しみである。

ベターホーム シェフに習う⑧ カンパーニア州

春夏コースの2回目は観光地で有名なナポリがあるカンパーニア州から3品。ナポリのストリートフードのカロッツァ(モッツァレラを挟んで揚げたパン)、ペンネパスタのアラビアータソース、ひよこ豆とツナ、ルッコラのサラダだ。

(画像は先生作)
カロッツァと言えば、前シーズンでポレンタを固めて揚げるレシピも教わっている。今回はパンを使っているので違った味わいが楽しめそうだ。トウモロコシの風味が好きなのでポレンタのカロッツァも大層美味しかったが、ポレンタの生地作りが結構面倒なので買ってきたパンですぐに作れる今回のレシピはありがたい。


さて、カンパーニア州についてソムリエ教本で調べてみよう。人口は583万人でロンバルディア州に次いで多く、ポンペイ遺跡やエルコラーノ遺跡など歴史的な価値のある文化遺産が集中している。ポンペイ遺跡は中学の頃、英語の教科書で紹介されていたのを読んで興味を持ち、いつか見に行ってみたいと思っている。国内の移動もままならない状況が続いているので、海外に行けるようになるのはいつになるか分からないが・・・。教本で興味深いと思ったのがカンパーニア州の経済についての項目。人口が多く、観光資源が十二分にあるにも関わらず、犯罪組織カモッラの影響と行政の腐敗が原因で貧困に甘んじているとのこと。マフィアは映画の中の存在だと思っていたが、現存しているのを知って驚いた。機会があればもう少し調べてみたい。代表的な料理はピッツァ・マルゲリータ、アサリのスパゲティ。モッツァレラとひょうたん型が可愛いカチョカヴァッロもカンパーニアのチーズである。主要ブドウ品種はグレーコ、フィアーノ、アリアニコ。狐のしっぽを意味する「coda di volpe」という葡萄もあり、ワインエキスパート試験(2021年8月に受験)で出題されて印象に残っている。いつかマルゲリータやアサリのスパゲッティと一緒に頂きたい。


■ヒヨコ豆とツナ、ルッコラのサラダ

家でサラダを食べるときは大体ゴマドレッシングで済ませてしまうが、どのメーカーもゴマの風味が強いのでルッコラやバジルなど独特の味わいがある野菜とはあまり相性が良くない。今回習ったレシピではオリーブオイルと白ワインビネガー、塩コショウで味付けをするので非常にさっぱりとしていて美味しい。別の回になるが、オリーブオイルとレモンのドレッシングもまた美味で、ドレッシングって買わなくても良いなのだなぁ、と感心した次第である。


■モッツァレラのカロッツァ

食パンを食べる習慣があまりなく、たまに買っても2日目には飽きてしまうのでアレンジレシピが増えるのは嬉しい。甘いものを食べたい時はフレンチトーストにして、惣菜になるものを食べたい時はカロッツァにしてしまえば良いので、食パンを買う心理的な抵抗が減りそうだ。揚げるときに型崩れしてしまわないように注意が必要。週末の時間がある時に作りたい朝ごはん。


ペンネパスタのアラビアータソース

普段パスタを作る時はアンチョビで味付けしたオイルベースのものに仕上げることが多いが、アラビアータはトマト缶があれば簡単に作ることが出来る。オリーブオイルに赤とうがらし、トマトの果肉を入れて旨味を抽出し、トマト汁を馴染ませるだけで良いので、忙しい平日のお昼にも作れそうである。アンチョビを使わなくてもちゃんと味が出ているのが不思議。


次回のレッスンはカルボナーラ。実は食べた事が無いので、実習が楽しみである。