Beauty & Chestnut

栗野美智子オフィシャルウェブサイト(笑)へようこそ。ツイッターもやってます。@Michiko_Kurino

日本画に触れる。加山又造展

日本画を見たい、と思って調べてみたら丁度国立新美術館加山又造という日本画巨匠の展覧会がやっていたので足を運んでみた。この美術館は私にとって思い出深い場所で、ここ半年ほどで4,5回は来たと思う。(特に多いわけではないかな・・・。) 乃木坂駅に直結していて、便利な立地だ。

ここの駅のエスカレーター(に付属する仕切りのようなもの)が好きで、これも立派なアートだと思う。ここに来て、これを見るたびに何だか嬉しくなる。この曲線が美しい。アートな空間にいると、音階の無い音楽が聞こえるような感じがする。

加山又造は日本の伝統的な美しさを現代的な手法で描いたことで知られている。「月」や「牡丹」、「猫」など、女性的なモチーフを頻繁に使用している。私が特に気に入ったのは、入り口付近にあった雪月花を表現した三部作と、裸婦習作。荒々しい力強さではなく、柔よく剛を制すような、独特な力強さが備わっていて、存在感がある。裸婦画の前を急ぎ足で過ぎ去っていくおじさんたちも、興味深い観察対象だった。もっと堂々と見ればいいのに。女性の体は無条件で美しいと思う。でも、あっけらかんとした裸婦画は健康美で良いが、私はどちらかといえば、どことなく背徳的な雰囲気を持ち合わせた耽美な裸婦画の方が好きかな。
2時間ほど鑑賞し、併設されているカフェでブランチを。カフェラテとパウンドケーキを食す。

国立新美術館は表面がガラス張りで、曲線を描いた設計になっている。内部にはコンクリートの台座のようなもの(上に喫茶店があるらしい)があり、それを眺めながらゆったりとくつろげる素敵な空間だ。イェーリングの権利のための闘争を読む。法律も人が作り出した芸術である。共同体として平和に暮らしていく為につくりだされた芸術。名誉を守り、国を豊かにするための法律。とは思うものの、法(闘争)が実行されている現場として裁判傍聴を何度か経験したが、ここにあったのは芸術ではなくただの現実だった。いつだって理論は理想状態であるが、その実践はあまり美しくない「現実」でしかないのだろうか。そんなことを考えながら、六本木の町を歩くことに。

街角の公園。自然の中にフィボナッチ数列を見出す。自然は法則に素直に従う。理論がそのまま現実世界に適用されているような気がする。

それに比べて、人間社会って、素直じゃないなぁ。