Beauty & Chestnut

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名は体を表す グッドミート・バル

赤羽は東京の中に存在する小さな大阪である。路上駐輪上等!と言わんばかりの自転車群やせせこましい路地に密集する飲食店、必要以上に着飾らないという暗黙のドレスコードのある町だ。浅草や上野とはまた違った雰囲気の下町である。私が大阪を出て結構な年数が経つのだが、こういった「大阪の破片」を見つける度に、なんとなく郷愁の念に駆られる。さて、そんな大阪ノスタルジィ満載の赤羽にある「グッド・ミート・バル」というバルに行ってきた。ここはお肉屋さんが直営するバルで、美味しい肉料理とお酒を安く提供することをモットーとしたお財布にやさしいお店だ。焼肉を食べに行くよりも少し安い値段でワインやレバーパテ、モツ煮込み、グリルなど、幅広い肉料理を堪能することが出来る。普段外食しても1〜2杯しか飲まない私も、ここでは5杯ぐらい飲んでしまう異例の「お酒が進む料理」が提供されるのである。ここで飲まずにどこで飲む。ボトルは1本3000円ぐらいなので、普通に酒屋で買えば2000円ぐらいだろうか。その価格帯のワインは当たり外れが多い玉石混合地帯だが、ここで注文したワインに外れはなかった。

料理:★★★++
一品600円前後から1500円ぐらいで、前菜、メイン、デザートなどに分けられている。前菜にはお肉の盛り合わせ(パテ、生ハムなど)や、サラダ、オリーブ、チーズの盛り合わせなどが揃う。メインはグリルの盛り合わせ、パスタ、モツ煮込みなど。私はメインよりも前菜が好きなので、パテやチーズの盛り合わせを安く食べられるお店は貴重だ。バルならメインを頼まなくても居心地がいいので、そういった意味でもありがたい。どのお料理もさすが肉屋。良い肉(グッドミート)をベストな調理方法でサーブしている。良い肉ではあるが、ベストな肉ではない。ベストな肉をベストな調理方法で提供するのはグランメゾンの仕事なので、あたりまえのことである。お酒が美味しいと久しぶりに思った。楽しく飲めて、楽しく食べられるお店だ。お肉とワインのマリアージュ

空間:★★
やや小さめの敷地に35〜40席ぐらいが設けられている。通路は広くはないものの、誰かとすれ違わなければ問題ない幅である。やや薄暗い店内で、カウンター席にはワインのボトルが並び、オープンでカジュアルな雰囲気が特徴だ。空調があまり効いていないのは、ドリンクの注文を増やすためだろう、と古典的な推測をしている。テラス席では赤羽の町並みを堪能しながら料理とお酒を楽しめるようになっているが、そこらへんは好みが分かれるところである。

食器:★★★
白が基調となったシンプルなデザインのものを使用している。割れ・欠けは見当たらず、ワイングラスも丁寧に磨かれていることが分かる。

接客:★★★+
バルにしては珍しく、簡単にではあるがお料理の説明をしてくれる。肉に対するこだわりが伺える。またワインのボトルを注文すると、人数分に分けてグラスで持ってきてくれるのでありがたい。ボトルのラベルを持って帰りたい、というややニッチなニーズにも対応してくれる素敵なお店だ。

総合評価:★★★★
コストパフォーマンスが良い店である。お酒を飲む人が何人か集まって食事をするには打ってつけだ。飲まない人でもお料理は楽しめるし、駅から5分という立地条件なので、アクセスは良い。私は赤羽には年に1度行くか行かないか程度であるが、人数が集まればまた訪問したいと思う。