Beauty & Chestnut

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山形旅行記(南陽〜山形)

ホテルへ戻った後は知らないうちに眠っていた。ホテルのwifiを使ってジロ・デ・イタリアを再生したのは覚えているが、コンビニで買ってきた氷結を飲みながらウトウトし、気が付いたら翌朝の5時であった。カーテンを開けると外は小雨。あぁ、今回も雨が降ったか・・・、と少しがっかりしながら米沢市内でモーニングをやっているカフェを検索した。何店か行ってみたいお店が見つかったが、どこも開店が9時のため、あきらめてホテルの朝食を待った。そうこうしているうちに、晴れ間がのぞきはじめた。最終チェックアウトが10時だったのでその時間に出発しようと思っていたが、早々に荷物を片付けて8時過ぎに発った。


手続きを済ませ、13号線で北上。ついさっきまで太陽が見えていたのに、急に雲行きが怪しくなってきた。急きょコンビニに寄り、雨具を身に付ける。現在地と目的地までの距離を再確認し、再び北へ。気温は9度。南北に長いせいか、同じ県内でも天気や気温の差が激しい。北上するにつれて本降りになりだした。体はレインコートで保温できても、手袋や靴、髪が浸水して冷たい。ニトリが見えたところで右折し、案内看板にそって目的地を目指す。山寺駅に着いた頃に、太陽が再び見え始めた。徐々に小雨になり、もうすぐ止みそうな模様である。近くの郵便局で雨宿りし、天気の回復を待った。10分程してから、山寺の登山口を目指す。多くの人が同じ方向へ向かって歩き出した。


1000段ちょっとの階段を登り切り、ふりかえると絶景が広がっていた。空は快晴で、さっきまでの悪天候がうそのようである。頂上付近では時季外れの紅葉を見ることが出来た。

人が多かったため、閑さが岩にしみ入っているようには感じられなかったが、頂上から見るふもとの景色に日本の原点のようなものがあった。

簡単に参拝を済ませた後はすぐに下山して、また雨が降り出さないうちに荻方面へ向かうことにした。


かねてから行ってみたいと思っていた「源蔵そば」。2年前に行ったときは開店時間に間に合わずに涙を呑んだが、今回は余裕をもって到着した。「そば、てんぷら、そば、てんぷら・・・」と呪文のように頭の中で注文を繰り返し、短い坂を上って店内へ。日本昔話に出てくる家を実写化したような、立派な古民家である。すでに先客が沢山おり、空いていた隅の席に座った。そばと天ぷらを注文し、すぐに配膳された。

まずはつゆをつけずにそのまま啜ってみる。十割であるが、二八のような上品な風味である。程よいコシがあり、蕎麦の甘みが感じられる。二口目は先端だけ汁につけて啜ってみる。あぁ、なるほど。東北好みな濃厚さ。天ぷらを漬けたり、最後に蕎麦湯を足すことを考えると合理的な味付けである。続いて山菜の天ぷらを一口。良い具合に揚がっており、山菜の豊かな風味と出汁がとても合う。天ぷらはタラの芽、ワラビ、茄子、南瓜などがあった。どれもサクっとした歯ごたえで美味である。帰り際にとても美味しかった旨を伝えると、お土産にタラの芽を頂いた。

創業は明治24年で、今の店主は4代目とのこと。今の味しか知らないけれど、昔はどうだったのだろうか。立ち去り際に、遠い過去へ思いを馳せてみた。

頂いた山菜は翌日に天ぷらへ。5年ぶりぐらいに揚げ物を作った。たまに料理すると楽しい。

山形は埼玉からも比較的アクセスが良く、蕎麦やワインや牛肉など美味しいものも多い。また、山と海の両方があるため、美しい景色とレジャーには事欠かない。道路もよく整備されており、どこへ行くにしても楽なアクセスである。鉄道事情は貧相であるが、何らかの移動手段さえ持っていればとても快適に過ごせる土地だと思った。今度は酒田の方にも行ってみたい。