Beauty & Chestnut

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ダージリンを飲み比べる

今年の6月から紅茶コーディネーター講座を受講している。フード系資格は薬膳マイスターを持っているが、食材の調達がやや不便な所もあり、日々の生活に中々活かせずにいるが、紅茶なら専門店が多いので学んだ事がすぐに実践できる。茶葉とポッドと、ちょっとしたティーフードがあるだけで、忙しい日々の合間にホッと一息つける。茶葉の管理は湿気と温度さえ気を付けておけばワインのように開けてからの時間を気にしなくて良いのも魅力の1つだ。


適温・適量のお湯を注ぐだけでも美味しいが、フルーツやお酒を加えるだけで無限のバリエーションが広がる。同じ種類の茶葉でも収穫時期や農園、ブレンド方法によって、その味わいは千差万別だ。何と奥の深い世界だろうか。アッサムやキーマン、ディンブラやアールグレイなど、カフェや試飲会イベントで沢山飲んできたが、その中でもダージリンがお気に入りだ。とりわけファーストフラッシュの若葉のようなフレッシュ感が何とも言えない。青々しさの中に、時には花のような香りが感じられることもあり、至福の1杯である。セカンドフラッシュシャンパンと例えられるが、ファーストフラッシュはブルゴーニュだろうか。


今日は家にある5種類のダージリンを使ってテイスティングを行ってみた。ジュンパナ農園のファーストフラッシュ、セカンドフラッシュオータムナルと、ナムリンアッパーのファーストフラッシュ、ダージリン春積みブレンドである。まずは同じ農園の3シーズンの飲み比べを行った。



左から順にファースト、セカンド、オータムナルである。
【色】
・ファースト:3種類の中で1番明るく、山吹色や渋みのある金色。
・セカンド:3種類の中で1番濃い色となった。やや濃い目の赤茶色といったところだろうか。
オータムナル:セカンドとよく似ているが、すこし明るい。濃いオレンジ、あるいは琥珀色。


【香り】
・ファースト:若葉を連想させるフレッシュな香り。グリニッシュ。
・セカンド:テイスティングカップを開けた瞬間、キーマンのようなスモーキーな香りがした。ファーストのようなフレッシュさは無いが、バランスの取れた豊かな香り。
オータムナル:セカンドとよく似ているが、わずかに香りが弱い。


【味】
・ファースト:苦みと渋みが良い具合に出ており、分かりやすいダージリンという印象。
・セカンド:まろやかで、コクがある。ファーストのような分かりやすい苦みや渋みは無い。
オータムナル:セカンドとよく似ている。セカンドより渋みが抑えられた印象。



次に、ナムリンアッパーと春摘みブレンドの比較を行った。左がナムリンアッパー、右が春摘みブレンドである。
【色】
ナムリンアッパー:淡く、澄んだ黄土色となった。
ブレンド:明るいオレンジ色だ。いずれもファーストフラッシュらしい、淡くて明るい色である。

【香り】
ナムリンアッパー:若葉のようなフレッシュな香りと、ユリのような花の香りがする。大変香しく、上品な印象がある。フラワリーとグリニッシュが共存している。
ブレンド:フルーティな香りである。他の4種が若葉の香りなのに対して、この茶葉だけが果実の香りがしたので強い印象が残った。

【味】
ナムリンアッパー:色が淡いので心配していたが、しっかりと味が出ている。苦み、渋みはやや控えめであるが、豊かな風味があり、ダージリンらしい爽やかさがある。
ブレンド:ファーストの特徴を持ちながらも、セカンドに近いバランス感がある。やはりブレンドだからだろうか。口に含んでいる時はフルーティであるが、余韻はほんのり若葉である。酸味も感じられる。


さて、おおよその違いは分かったが、これらをどう使い分けようか。朝一番に飲むのはファースト、夜ゆっくり飲むのはセカンド、といった所か。いやいや、朝こそストロングな1杯でシャキっと目覚めたいので濃い目に淹れたセカンドで、眠る前はフラワリーなファーストでリラックスするか。悩ましい限りである。紅茶は奥が深い。