Beauty & Chestnut

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はじめてのブルベ 2019BRM803金太郎

以前からブルベに挑戦してみたいと思っていた。まずは200Kmから、と色々なサイトを見ていたら8月の深夜に走るブルベを見つけた。秋まで待てないし、深夜なら日焼けしないから良いのではないか、と思って早々にエントリー。今年は梅雨が長引いたせいで、6月上旬に1回秩父へロングライドしただけで、その後一切サイクリングには行けていなかった。ジムや自宅で週2~3回1時間程度のトレーニングをしていた程度であるが、出力数が少しずつ上がっていたので特に気に留めず。ライトや反射ベストを買い足し、当日を迎えた。ブルベが好きな知人が一緒に出てくれることもあり、サイクリング気分である。家を出る直前に輪行袋が実家にあることを思い出して火事場を迎えたが、家族の協力を得て何とか会場へ行くことが出来た。


コース図を見る限り、前半~中盤に登りが固まっている。後半楽が出来るのは有り難い。
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引用元:https://randonneurs.tokyo/?p=8339


■スタート地点~CP1
等々力アリーナから中原街道へ出た後は基本的に道なりに進む。埼玉の物見山付近を連想するような市街地の緩やかなアップダウンが続くが、この辺りはまだ集団で走ることができる。自分の目の前で信号が赤になり、先頭になった時は結構焦ったが親切な人が前に出てきてくれたのでそのまま付いていくことに。CP1まで2時間ぐらいかな、と思っていたが信号で頻繁に止まったり、アップダウンがあったりで2時間半ぐらいかかってしまった。

CP1のコンビニにつくと、店内は自転車乗り達の長蛇の列。集合場の等々力アリーナは暗かったので気付かなかったが、参加者のほとんどが男性で、30代~60代ぐらいの年齢層だった。アスリート風の、日焼けが似合うかっこいい女性も1人居た。アイスクリームを食べたかったが並んでいるうちに溶けてしまうのでゼリーとポカリを購入。ブルベライダーは皆電子マネー決済かと思っていたが、結構な割合で現金を出している人がいた。15分ほど並び、補給後は早々に出発。今思えば、多少無理をしてでもここで何か食べておけば良かった。


平塚市~御殿場大井線のフォトチェック
さて、ここからが正念場である。フォトチェックポイントまで耐えれば完走したのも同然である。・・・と当時は思っていた。足柄市へ入るまで小さな峠が2個ぐらいあり、郊外の夜の暗さを堪能。この時、速い人たちはとっくに先頭の彼方へ消えているので、似たような走力の人達(かなり少人数)と、無言だけど多分気持ちを共有しながら走る。地味にしんどいよね、と。開成町の貴重な平坦で息を整え、いざ大井線へ。明かりが少なくなり、雰囲気は魔界への入口である。「まぁ、これさえ耐えれば後は平坦」と自分を奮い立たせ、10Km近い登りが始まる。距離は長いが標高は高くない。しかし、ここへ来るまでの市街地のアップダウンや名もなき峠で足が削られているせいか、日頃の筋トレの成果を発揮しよう、という意識高い系の発想は微塵も無かった。距離が長いので、たまに知人と雑談しながらひたすら前へ進んだ。部分的にきつい箇所もあったが、元気な人ならアウターで登れそうな雰囲気。当然私はインナーローである。深夜2時前にはポイントへ到着し、記念撮影。後は下山して平坦のみ、と思うとテンションが上がる。


■下山~CP2
今から本気出すモードで下山を開始した。登りの遅れを挽回しようと思い、鼻歌交じりで下る。分岐点を右折し、早々に登り返しが来たが「まぁ許容範囲だろう」とインナーで耐えることにした。土地勘が無いので事前に気づけなかったのだが、むしろここからが本番なのである。そう、埼玉で例えると奥武蔵グリーンラインだ。南側から登り始めて顔振峠までが先ほどのフォトチェックポイントで、そこから尾根伝いに定峰へ向かうようなアップダウンが続くのである。ただでさえ電灯が少なくて薄暗い道が続いていたのだが、いよいよ無燈エリアも出始めてくる。文字通り冥府魔道を行く感じだ。時刻は深夜3時。何かが出そうな雰囲気だったが、多分クマ以外なら何が出ても驚く余裕は無かったと思う。心を無にして耐えに耐えて小田原の市街地へ。CP2のコンビニに3時45分頃着。制限時間は3時8分。タイムアウトである。コンビニにはリタイアと思われる少人数のグループが居た。私も満身創痍である。もはや胃は液体以外受けつけない状態となっていた。プロテイン入りのゼリーを摂取し、メダル購入は諦めて完走を目指すことに。


■小田原~江の島(DNF)
後1時間ぐらいで日の出なので、日焼け止めを塗って出発。お尻と前腿が少し痛み始めてきたぐらいで、走行ラインは乱れが無く、通常なら十分に継続可能だったが得体のしれない疲労感が充満していた。「自転車ってこんなに辛かったかしら・・・。私には向いていないかも。」と思い始める。エネルギーが足りていないせいか、平坦でも20Km/hぐらいしか維持できなかった。江の島まで気力で走り続けたが、知人の勧めでDNFを決意。運営者へその旨連絡し、2時間ぐらい海辺で休憩して電車で帰宅した。折角なので生しらす丼でも食べて帰ろうかと思ったが、朝から開いている店が無かったので断念。


こうして、私の初ブルベは終わった。200Kmを13時間で走るのは簡単そうに見えて結構大変なものである。普通のサイクリングのように、体調に応じてルートを変えたり、良さそうなお店でごはんを食べたりすることは出来ない。今回のようなナイトブルベだとコンビニでしか補給できないので味気ない。市街地だと予想以上に信号に足止めされて進まず、予定通りに進まないし、時間的に意外と忙しい。週2~3回の短時間トレーニングだけだとロングライドでは歯が立たないので、週末は積極的にサイクリングに出かけたい。渦中にいる時は何度も自転車をやめたいと思ったが、喉元過ぎたので懲りずにまたリベンジである。